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里山資本主義 

(1)『里山資本主義』の書評Ⅰ.pdfⅡ.pdf

(2)里山資本主義とは    里山資本主義とは何か(藻谷さんの講演会資料).pdf   『里山資本主義』要約.pdf環境カウンセラー情報より)  里山資本主義とは

 ①<『里山資本主義』より(・・・・・は中略)

   (P.120~)生きるのに必要なのは水と食料と燃料だ。お金はそれを手に入れるための手段の一つに過ぎない。・・・・・だが必要な水と食料と燃料を、かなりのところまでお金を払わずに手に入れている生活者は、日本各地の里山に無数に存在する。山の雑木を薪にし、井戸から水を汲み、棚田で米を、庭先で野菜を育てる暮らし。最近は鹿も猪も増える一方で、狩っても食べきれない。先祖が里山に営々と築いてきた隠れた資産には、まだまだ人を養う力が残っている。これに「木質バイオマスチップの完全燃焼技術」といった最先端の手段を付加することで、眠っている前近代からの資産は、一気に二一世紀の資産として復活する。

    さらには、震災で痛感した人も多いはずだ。お金と引き換えに遠くから水と食料と燃料を送ってきてくれているシステム、この複雑なシステム自体が麻蝉してしまえば、幾ら手元にお金があっても何の役にも立たないということを。・・・・・動かなくてはならない。お金という手段だけに頼るのではなく、少なくともバックアップ用として別の手段も確保しておくという方向に。そう難しい話ではない。家庭菜園に井戸に雑木林に石油缶ストーブがあるだけで、世界はまるで変わる。お金で結ばれた関係だけではない、日ごろの縁と恩でつなった人間関係があるというだけで、いざというときにはかけがえのない助けとなる。

    「里山資本主義」とは、お金の循環がすべてを決するという前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え方だ。お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心安全のネットワークを、予め用意しておこうという実践だ。勘違いしないで欲しいのだが、江戸時代以前の農村のような自給自足の暮らしに現代人の生活を戻せ、という主義主張ではない。お金を媒介として複雑な分業を行っているこの経済社会に背を向けろという訳でもない。庄原の和田さんも言っている。「お金で買えるものは買えばいい、だがお金で買えんものも大事だ」と。前章のオーストリアの例のように、森や人間関係といったお金で買えない資産に、最新のテクノロジーを加えて活用することで、マネーだけが頼りの暮らしよりも、はるかに安心で安全で底堅い未来が出現するのだ。

    ただし里山資本主義は、誰でもどこででも十二分に実践できるわけではない。マネー資本主義の下では条件不利とみなされてきた過疎地域にこそ、つまり人口当たりの自然エネルギー量が大きく、前近代からの資産が不稼働のまま残されている地域にこそ、より大きな可能性がある。また里山資本主義は、マネー資本主義の評価指標、たとえばGDPや経済成長率を、必ずしも大きくするものではない。それどころかまじめに追求していくと、これらの指標を縮小させる可能性もある。しかしそれは、「簿外資産の活用による金銭換算できない活動が、見えないところで盛んになって、お金に換算できない幸せを増やす。ついでに、お金で回る経済システム全体の安定性も見えないところで高まっている」という話にほかならない。(~P.122)

 ②<『里山資本主義』より(・・・・・は中略)

   (P.124~)高度成長期以降の地域振興の三種の神器は、高速交通インフラの整備・工場団地の造成・観光振興だった。・・・・・だが、・・・・・結局、地域振興の三種の神器をもってしても、中国山地の経済はまったく発展しなかった・・・・・。 (~P.125)

 ③<『里山資本主義』より(・・・・・は中略)

   (P.139~)里山資本主義という考え自体が、マネー資本主義を支える幾つかの基本的な前提(引用者:貨幣換算(何でもお金に換算する=換金主義)・規模の利益・分業の原理)に反する部分を持っている・・・・・。(引用者:その反する部分、つまりアンチテーゼとして次の3つが記されている。)

   「貨幣換算できない物々交換」の復権――マネー資本主義へのアンチテーゼ①

   規模の利益への抵抗――マネー資本主義へのアンチテーゼ②

   分業の原理への異議申し立て――マネー資本主義へのアンチテーゼ③。   (~P.148)

 ④<『里山資本主義』より(・・・・・は中略)

   (P.154)持つべきものはお金ではなく、第一に人との絆だ。人としてのかけがえのなさを本当に認めてくれるのは、あなたからお金を受け取った人ではなく、あなたと心でつながった人だけだからだ・・・・・。持つべきものの第二は、自然とのつながりだ。失ったつながりを取り戻すことだ。自分の身の回りに自分を生かしてくれるだけの自然の恵みがあるという実感を持つことで、お金しか頼るもののなかった人びとの不安はいつのまにかぐっと軽くなっている。里山資本主義の実践は、人類が何万年も培ってきた身の回りの自然を活かす方法を、受け継ぐということなのだ。

 ⑤補足

   ・「無価値」であったもの(木屑・耕作放棄地など)を「価値」に変えようとする、つまり、これまでの価値体系とは異なる価値体系を生み出し、その二者間の差異を源泉に「利潤」が生まれるとする経済といえる。

   ・資本主義自体に完全に代わる代案ではなく、金で買えるものは買えばいいが、お金で買えないものも大事にすることで資本主義を補完するサブシステムの経済。つまり、マネー資本主義の生む歪みを補い(できるだけお金に依存しないで自然と共に生きる本当に豊かな生活を取り戻そうとする)、その危機時にバックアップをする(地域で食糧を回しあったり、バイオマス発電でエネルギーを自給自足したり、近隣の人達と助けあったりする仕組みを作り、どこかの国の金融破綻や資源の高騰などマネーがもたらす大規模な失敗に備える)経済といえる。

   ・グローバル(マネー)資本主義に対抗する「ゲリラ的」反グローバル(マネー)資本主義ともいえる。また、「地元」 「田舎」「地域」「身近」資本主義と言い換えると分かりやすい。

   ・里山資本主義を簡単に言うと、

     地元にあるものを生かして(資本にして)、なるべく良いものを売りましょう、消費は地域の中で回しましょう、外部に支払うエネルギー代を削減しましょう、ということになるでしょう。

     お金の循環が全てを決するという前提で構築されている「マネー資本主義」の経済システムの横に、こっそりとお金に依存しないサブシステムを再構築しておこうとする考え方。

(3)藻谷浩介氏講演   (講演依頼についてのメッセージ等.pdf

 ①71_5里山資本主義⇒里山資本主義の極意(14.5)<このページにあり>/里山資本主義から考える今後の三宅町」(17.2)志摩での暮らしを豊かにするには(14.4)ミラー田舎だからこそできること・龍江だからこそできること(16.9)交通の便がよくなれば活性化するという訳ではない」/どうする!?宮津の里山(14.3)ミラー里山資本主義-しなやかな大島へ(14.12)里山・真庭から日本を変える(14.7)ミラー里山資本主義の視点〜「えびの市」の現状と課題を鋭く分析〜(14.7)里山のしあわせ学(15.12)<インタビュー>里山を生かすサブシステムが、人をハッピーにする(15.7)里山資本主義と日本経済(15.4)このページより)<→右に抜粋図(クリックで拡大)里山資本主義(13.7)/里山資本主義から見た〇〇の未来

 ②その他⇒江津市男女共同参画講演会(12.1)ミラー大型SCの進出とまちづくりへの影響(16.11)みちのく復興事業シンポジウムへったっちゃよかろ?玉名(16.2)京都の地域創生、日本の地方創生(16.1)「ミラー安中を変える、安中が変わる(16.3)ミラー工業が人を雇わない時代」/みんなで考える地域活性化(15.9)コンパクトシティってなんですか?富山市のゆくえ(11.1)ミラーこれ以上郊外開発をしません、というのがコンパクトシティ」「人口が増えていないのにどんどんと道路と上下水道を増やしていくと確実に財政破綻する。」「郊外地権者の要求通りに道路を延長し開発地を拡大するんじゃない。」/林道研究発表会 基調講演(approx.13.11)<インタビュー>藻谷浩介さん『地域再生』を語る(11.4)ミラー「人口が倍に増えてきた戦後の半世紀は、もう手当たり次第に田んぼをつぶし山を崩し海を埋めて、建物や施設をばらまいてきました。これから先、百年をかけて人口が半分に減ると思われるこの時代に、果たしてどうやってそうしたやり方の手仕舞いをしていくのか。」/間違いだらけのインバウンド(approx.15.8)若者の定住策説く.pdf「デフレの正体」と北海道経済の展望(12.1)活気溢れる那珂大地の創造に向けて(14.4)まちづくり講演会資料人口とエリアマネジメント(10.12)山林や田園をつぶす新規開発はもう行わない」「供給を増やせば増やすほど値段が下がる 時代になった。税収増を狙った都計区域増加・容積率引上は、自分の首を絞める禁じ手」「土地供給削減=開発面積の縮小+中心部密度の向上、だけが地価暴落を防ぐ手段」/人を活かして東栄の魅力と未来を創造する(16.2)ミラー青森市の現状を見据え、未来を考え、そして行動しよう(14.7)シンガポールはすべて戦略性を持って進めた(13.7)

 *参考(藻谷浩介氏の論説等) : 時代の風(毎日新聞連載)経済プレミア

 *参考(藻谷浩介氏の書評) : 『安倍官邸「権力」の正体』=大下英治・著『川を歩いて、森へ』=天野礼子・著 『次の時代を、先に生きる。』=高坂勝・著『デモクラシーは、仁義である』=岡田憲治・著『世界地図の中で考える』=高坂正堯・著『奇跡の村−地方は「人」で再生する』=相川俊英・著『あなたは、わが子の死を願ったことがありますか?』=佐々百合子・著/ 田園回帰1%戦略-地元に人と仕事を取り戻す=藤山浩・著 (毎日新聞 2015/10/18) /失われた兵士たち-戦争文学試論=野呂邦暢・著 /君は英語でケンカができるか?-プロ経営者が教えるガッツとカタカナ英語の仕事術=平松庚三・著  (毎日新聞 2015/05/17) /リノベーションまちづくり-不動産事業でまちを再生する方法=清水義次・著  (毎日新聞 2015/03/01) /ふるさとをつくる 小島多恵子・著/アベノミクス批判-四本の矢を折る=伊東光晴・著 (朝日新聞 2014/10/12)/ FUJISAN-世界遺産への道=近藤誠一・著 (毎日新聞 2014/07/20) 

(4)「里山資本主義」――八戸市の大成功事例里山資本主義の実践には、高いコストを覚悟すべし 「里山資本主義」は可能? バイオマス発電の虚実

(5)参考 : 地方創生のリアル

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